【79】漱石 馴染みの鎌倉・帰源院へ
- 2019年9月20日
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更新日:2019年9月29日
夏目漱石の「門」の舞台になった円覚寺とその内塔頭の帰源院を8月初旬に訪ねた。

それと言うのは 漱石が可愛がっていた富沢珪堂和尚と僕の父が非常に懇意にさせて頂いていた事で そのお孫さんにあたる 今の 宗実和尚のお計らいで 大阪から出向いた僕達を 本堂と庭園、そして珪堂和尚の墓に案内して下さった。
その日は 施餓鬼の前日でもあり 何かとご多用中だったろうに 一区切りがついたので と僕たち親子4人を受け入れて下さった。嬉しかった。
漱石と円覚寺との縁は 1914、5年(大正3、4年) この富沢珪堂、鬼村元成和尚が23歳のころ、漱石に手紙を書いた事に始まるのだが 二人の若和尚の態度が漱石の気に入った事なのだろう。先にも述べたが(第68話)可愛気について人との繋がり方が何とも自然で有ったのだろう。今風に言えばコミュニケーション能力というのだろうか。
ぼくの親父が慕い尊敬し 何でも話し合えた珪堂和尚の墓は本堂がある山の上から 少し下った所にあった。ぼくは大阪から準備していた珠数をバッグから出してお参りさせて頂いたのだが 線香は和尚が準備して下さったのも嬉しかった。

👉亡き父の 乞いし禅坊帰源院 木暗闇なる 蝉しぐれの坂 利夫
👉円覚の 寺の老杉(ろうさん)欝蒼と 自然と生きるを 我に知らしむ
利夫
👉漱石の愛でし大蓮きょう妻と 我とが愛でし静寂(しじま)のなかに
利夫
👉禅師より 授かりし言の葉の 親のしめしに ひとしきものを
利夫
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